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マチュピチュ遺跡の背後にワイナピチュ峰がそびえているのは写真でよく見る。しかし、マチュピチュ峰という山があるのはあまり知られていない。実は、マチュピチュ峰はマチュピチュ遺跡を挟んでワイナピチュ峰の反対側にあり写真に写ることもあまりない山なのだ。以前は自由に登れたワイナピチュは登山人気が高くて、ハイシーズンには1か月前に入山チケットの予約が必要とのことだが、マチュピチュ峰はあまり知られていないため、直前でも登山チケットが入手できる。今回はこのマチュピチュ峰に登ってみよう。

 

マチュピチュ遺跡行きのバス

マチュピチュ遺跡行きのバスはマチュピチュ村から出ている。宿泊していたホテルを朝5時半に出て10分ほどでバス乗り場に着くと、バス通りに旅行者の長い列ができていた。しかし、中型のバスが次々と来るので、15分ほど待っただけでバスに乗ることができた。遺跡に向かって、バスはジグザグの坂道を上り続ける。

マチュピチュ遺跡行きのバスはきれいだ。


遺跡入り口も大混雑

30分もかからず遺跡の入り口に到着したが、ここも入場を待つ人達が大勢いて、入り口ゲート前の階段は埋め尽くされていた。遺跡内には食べ物の持ち込みは禁止されていると聞いていたので、私は水しか持ってこなかったのだが、入場ゲートでは特にバック内を調べたりすることはなかった。遺跡だけなら水でいいと思うが、山に登る場合はエネルギー補給用の食べ物を多少は持って入ったほうがいいのではないだろうか。

入り口ゲート前の階段は人で埋め尽くされていた。


マチュピチュ遺跡全体図

石垣のテラスを登山口方向へ向かう

すでに7時近かったため、遺跡内を急いで登山口に向かう。マチュピチュ峰はワイナピチュ峰とは反対側に聳えるため、途中のテラスを遺跡中心部やワイナピチュと反対方向に向かうことになる。登山口に着いたのは7時ちょうどだった。すでに10人ほどが待っており、ゲートが開くと小屋で登山ノートに自分の名前を記入してから坂道を登り始めた。

テラスになっている登山口に向かう道。


登山口では10人ほどがゲートが空くのを待っていた。

登山道はかなり急な坂道でキツイ!

10分も坂を上ると、もう、嫌になった。坂がきついし、周囲は林で景色は見えないし、ただ苦しいだけだ。頂上までは約2時間と聞いていたが、これではとうてい上れないと思った。ワイナピチュの方も切り立った崖に付けられた細い道を昇っていくので、これも結構辛いのだが、見晴らしがよく景色が見られる楽しみがあったと記憶している。こちらは、最初の30分ほどは景色が見える場所が少なく、インカ道の石の階段をひたすら上り続けるしかない。上に行くと景色が見えるようになるのだが、この日は霧と雲で景色はほとんど見えなかった。

インカ道の石段が続いている登山道

雲と霧の中をどこまでも登る。


下方にワイナピチュの峰が見えた

1時間半を経過するころ、崖の淵に付けられた細い道となった。右後方の雲の間からワイナピチュの尖った峰が突き出しているのが見えた。晴れていれば、マチュピチュとワイナピチュの絶景が見られると思う。

雲間にワイナピチュが見えた。


1時間45分ほどで頂上に到着

やがて、急な坂の上に空に突き出すような展望台が見えた。「ひょっとしたら頂上が近いのか?」と思い、最後の力をふり絞るようにして登っていくと、それは頂上直下の展望台だった。結局、1時間45分ほどで頂上に到着。着いてみると、意外にあっけなく、最初に思ったほど大変ではなかったような感じだ。

マチュピチュ峰は標高3060mあり、ワイナピチュ峰の2720mより高い。晴れていれば、頂上から周囲を囲む山脈群の360度パノラマが楽しめるはずだが、この時、周囲は完全に厚い雲に覆われており、霧が時々私たちを包み込んで真っ白になる。待っていても雲がなくなる様子が見えなかったため、あきらめて下山することにした。

頂上直下の展望台。


頂上に到着したが雲で何にも見えない。


遺跡に戻ると雨が降り出した

下山はあっけなく、登山口には10時過ぎに戻って来た。これから遺跡をゆっくり見学しようと思ったのだが、とうとう雨が降り始めた。

用意していたレインウエアを着て遺跡内を少し歩いたが、防水ズボンに水が浸透するほど濡れてしまった。しばらくしたら雨が上がるかもしれないと屋根の下で待ってみたりしたのだが、雨脚はかえって強くなるばかりだった。

雨のため見張り小屋周辺に人が集まっていた。


もはや見学していられないくらいの雨。


昼食のために一旦遺跡を出る

昼が近かったため、一旦遺跡の外で食事をして雨が上がるのを待つことにした。遺跡の外にはホテルのレストランとスナックがあるのだが、レストランはビュッフェ形式で4000円以上した。そこで、スナックに行ったが、ここは長蛇の列。屋根付きのオープンテラスのテーブルは人で埋まっている。ただ、食事を終えて帰る人も多いので、少し待てば座ることができた。

しかし、午後1時になっても、雨はやむ気配がない。衣服が濡れているせいもあって座っていると寒く、ついに待ち続けるのが苦痛になり、あきらめて村に帰ることにした。遺跡をじっくり見たかったのに、残念…。

あきらめて一旦遺跡から出ることに…。


あきらめて帰る人たちでバス乗り場は混雑。後ろの建物の二階がスナック。


そうだ温泉に行こう!

バスで村に戻りホテルに着いた頃になって雨が上がった。遺跡に戻るわけにもいかず、時間があるので登山の疲れを癒すために温泉に行くことにした。元々、この村はアグアス・カリエンテス(温泉)という名前で、村はずれに温泉が湧いているのだ。

歩いて村はずれにある温泉への上り口まで10分弱で着いた。ここから先は入域料を取られるが、温泉の入浴料は別になっている。

温泉への道の入り口にある料金所。


川沿いの山道を登る。


大勢の人で賑わう露天風呂

入り口から温泉まではゆっくり歩いて15分ほどかかる。川沿いの山道をどんどん登っていく。

やがて温泉施設に到着。ここにはレストランや土産物屋が併設されており、大勢の人がプールのような露天風呂に入っているのが見える。温泉には水着で入るので、脱衣所で着替え、脱いだ服はクロークに預ける。入浴料は660円くらいだった。川沿いのスペースに大小6つほどのプールが作られており、大勢の人で賑わっていた。ただ、観光客ばかりで地元の人は見当たらない。

日本人と違って、外国人は熱い湯が苦手なようだ。従って、この施設には熱い湯のプールはない。底に石が敷き詰められた大きなプールに人が集まっており、他のプールと比べて少し温度が高い気がするのだが、熱い湯好きの私には物足りない。というか、寒くて、充分温まらないと風邪をひきそうなほどだ。また、清潔感もあまりなくて完全にはリラックスできない。それでも、大勢の人が酒など飲みながら楽しそうにお湯につかっているのはいい感じ

川沿いに作られた大小のプール。


ぬるめのお湯に浸かってビールなどを飲んでいる。


夜のマチュピチュ村は観光客で大賑わい

夜になり食事に出てみると、村のメイン通りは観光客で大賑わいだった。ここには観光客相手のレストランやバーなどが軒を連ねており、世界中の料理が食べられるのだ。

事前にトリップアドバイザーで調べてみると、おいしいいピザを出す店が何軒も出ていた。その中から特に評判がいい店に行ってみた。山小屋風の感じのいいインテリアの店だった。

店に入るとマルゲリータを注文してみた。こちらのピザは大きいので一人で1枚食べきれるか心配だったので、ウエイターに聞いてみると、ピザ焼き窯のそばにあった焼き上がったピザを指差す。大きなピザだったが、食べられないほどではなさそうだった。やがて届いたマルゲリータは、見た感じも、味も私が知っているマルゲリータとは少し違ったが、ピザ生地とチーズがおいしく夢中で食べた。久しぶりに大満足の夕食となった

賑やかな村のメイン通り。


ピザ屋は山小屋風の感じのいい店だった。


注文したマルゲリータ。


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