中米諸国を走る国際バスは何社もありますが、最も有名で信頼できるのがTICA Busでしょう。この会社のバスはメキシコのタパチュラからパナマのパナマ・シティまで路線があり、中米6カ国の首都をつないでいます。今回は、コスタリカの首都サン・ホセからグアテマラの首都グアテマラシティまで移動しますが、TICA Busはサン・ホセからニカラグアを経由してエルサルバドルの首都サン・サルバドルまで。また、サン・サルバドルからグアテマラシティまでは別の会社のバスを利用しました。
中央アメリカ(中米)は、基本的に6か国で構成されていますが、いずれも小さな国なので各国間の主な移動手段はバスとなっています。国際バスを運行している会社は何社かあるのですが、もっとも有名で信頼されているのがTICA Busだと思います。コスタリカ人女性を意味するTICAという言葉を社名に使っているのはコスタリカの会社だからでしょう。内戦が続いていた1980年代でもTICA Busを利用すれば比較的安全に中米を通り抜けることができました。TICA Busはホテルが併設された独自のターミナルを持っているため、バスの乗り継ぎでも外に出る必要がないという利点があります。チケットはもちろんターミナルで購入できますが、事前にインターネットで購入することもできます。
今回の旅は、コスタリカの首都サン・ホセからグアテマラの首都グアテマラシティまで行くのですが、途中エルサルバドルの首都サン・サルバドルに寄ります。まず、サン・サルバドルまでの切符を買うことにしてタイムテーブルを見ると、1日でサン・サルバドルに到着するには朝の3時発のバスに乗る必要があることが分かりました。ニカラグアの首都マナグア経由で、サン・サルバドルには夜11時ころ到着となっています。急がず、午前中のバスでマナグアまで行き一泊という方法もありますが、3時発のバスで行くことにしました。
ターミナルに併設されているホテルの空き部屋を確認してからチケットを買いました。TICA Busのホテルは場所によってレベルが違うのですが、サン・ホセの場合は安いビジネスホテルのような感じで綺麗ですし悪くありません。受付の女性にバスの出発時間を告げて、モーニングコールをお願いしました。
マナグアで少し休憩し、次はサン・サルバドルへ向けて出発です。辺りが暗くなってから、ニカラグアとエルサルバドルの国境越えとなりました。写真はないのですが、この国境越えはコスタリカとは異なり、暗い車庫のような場所にバスが入り、兵士によるチェックが入るなど少し気味が悪かったです。何事もなく通過できたので良かったのですが…。その後、バスは給油のために休憩となりました。乗客はガソリンスタンドの売店でお菓子を買ったりして、空腹を紛らわしています。
夜11時ころにサン・サルバドルに到着です。中米の中でも治安の悪さで有名な街ですから、バスが暗闇を走るのは気持ちがよくありません。やがて、バスが停まり、数人の乗客が降りていきます。向かいにはホテルがあり路上に立った係員が乗客を案内しています。私もバスを降りて、このホテルには泊まれるのか聞いてみました。しかし「事前に予約している客だけだ」と言われました。よさそうなホテルだっただけに残念です。写真はサン・サルバドルの繁華街です。
翌朝、サン・サルバドルからグアテマラシティまでは別の会社のバスを使おうと思い、プエルト・バス・ターミナルにやって来ました。この路線は様々な会社のバスが走っていますが、プエルト・バス・ターミナルが比較的近くて使いやすかっただけのことです。 プエルト・バス・ターミナルにもホテルが併設されていますが、こちらはTICA Busのホテルより上質です。写真はホテルの部屋の外にあるテラスです。
バスは順調に走りましたが、グアテマラシティに入ると大渋滞に巻き込まれました。グアテマラは中米諸国の中では経済規模が大きく、サン・サルバドルやサン・ホセなどより近代化が進んでいる感じです。以前、TICA Busでサン・サルバドルからグアテマラシティに入った時、乗客たちが喜びの声を上げたことがありましたが、新市街の美しさを見るとその気持ちがよくわかります。やがてバスは街の中心から少し離れた所にあるターミナルに到着。地元の人が多いバスの乗客には都合がいい場所かもしれませんが、旅行者向きの場所ではありませんでした。
写真は比較的治安のいい新市街であるZona9の通りです。グアテマラシティは街の中心部である旧市街のZona1から国際空港方面へ向かって数字が増えていき、Zona9、10が大使館や大手企業、高級ホテルなどが多い地区になります。